フリーランスが法人化するのはどんな時?メリット・デメリットとタイミング

フリーランスで順調に売上が伸びていくと、悩みの種が「法人化」するべきかどうかです。フリーランスが法人化することを「法人成り」といいます。

「法人化すると色々とめんどくさそう・・・」
「税理士とか決算とかややこしそう・・・」
「今まで自由な感じでやってきたのに堅くなるかな・・・」

といろいろと想像で感じることあると思います。実際私も2017年に法人化し、まもなく2年経とうとしています。今日はフリーランスが法人化すべきかどうかの判断基準やメリット・デメリットについてご紹介したいと思います。

【この記事を書いた人】
フリーランス・クリエイターの駆け込み寺
Creative Universe Inc CEO
クリエイター祭り主催
樫本祐輝(カッシー@strive
1985年生まれ 岡山出身大阪在住 Web制作会社→フリーランスWebデザイナー→ゲーム開発会社→マーケティング会社→NPO法人→再びフリーランス→フリーランス・クリエイター支援や法人向けコンサルティングで法人化。2012年よりフリーランスセミナーを大阪・東京にて開催中、2013年にフリーランス・クリエイターのクローズドギルド「TheCreative」を主宰。フリーランス・クリエイター支援に本格的に力を入れるため2017年に法人化。「#クリエイター祭り」など様々なイベントを開催する。家庭も大事にしずっと専業主婦の妻と3児のパパ。詳しいプロフィールはコチラ

法人化のメリット

まずはフリーランス(個人事業主)からの法人化にはどのようなメリットがあるのか紹介したいと思います。

社会的信用が上がる

全く同じ業務内容や売上だったとしても法人化したほうが信用が上がります。聞いたことがある方やそういったイメージは多いですが、それはなぜでしょうか?

法人化は、登記する必要があり司法書士さんにお願いして定款作ってもらったりなど手間も20万ほどの費用もかかります。登記することで住所も公開することになります。

肩書も「代表取締役社長」(いわゆるCEO)という肩書になるので、身軽で自由人っぽいフリーランスと比べるとかなり信用度が高い肩書となります。

また、各種経費が個人よりもかかる点などもあり、法人を運営しているというのは個人事業主よりも事業の手堅さを証明することになり、信用が個人事業主よりも上がることになります。

厚生年金に加入できる

フリーランスのデメリットの一つに「将来もらえる年金が少ない」という事実があります。

参考:国民年金、満額いくらもらえる?支給額を年収別に解説https://fuelle.jp/save_prepare/detail/id=4377

フリーランスが加入する国民年金の場合、年80万ほどしか年金がもらえないため、最低限の生活にしかならず、実質働くのをやめることができない可能性があります。月額5,6万ぐらいでは健康的で文化的な生活できませんね。

もしも将来老後の資金に不安があるのであれば、フリーランスの場合は国民年金基金、確定出庫年金、付加年金、小規模事業者共済などの仕組みを利用して自ら老後に向けて積み立てていく必要があります。

そういったあれこれしなくてもマシな厚生年金に加入できるのですが、デメリットとして当然その分社会保険料も高くもなります。

創業融資を受けれる

就活の新卒のように、創業する時のボーナスのようなものが「創業融資」です。日本政策金融公庫や銀行などから創業時に良い条件で融資してもらえます。もちろん何かしらの事業経験などは問われますが、一度創業してしまうとその1年間の決算書を見て融資できるか判断されることを考えるとゼロベースで判断してもらえる方や楽でしょう。

ゼロからまっさらな状態で将来の期待も含めて金額が決定するか、実際に1年間など創業した後の成績を見て判断されるという選択肢の場合、ゼロの状態でも資金を持てたほうがビジネス的な成功率は上がるので、融資を受けるのであればこの創業時というのは重要なタイミングなのです。

参考:日本政策金融公庫 新創業融資制度

私も創業融資を利用しましたが、大阪梅田で事務所を借りるための頭金としてまとまったお金が必要のため利用しました。ちゃんと返していけるだけの売上があれば、資金を減らさずに投資ができるのでとても助かりました。

また、借り入れは法人の与信枠を使った法人格の借金のため、代表個人の借金ではないので与信枠を残したままお金を借りることができるのも人によってはメリットになります。

節税の幅がかなり広がる

税金の話は細かくなってしまうので、大阪の知り合いの税理士Youtuberヒロさんのこちらの動画「個人事業主vs法人・税金計算編」をご覧ください。

これは一例ですが、節税の選択肢は単純に法人の方が多いため節税できる幅は法人>個人事業主>会社員となりますので生活できる以上の余裕があるのであれば節税のために法人化もありでしょう。

最近では節税のために一人法人化するマイクロ法人も増えています。

法人化のデメリット

当然メリットばかりではありません。ここからは法人化のデメリットを紹介したいと思います。

社会保険料がホント高い

まず法人化するとびっくりするのがこれだと思います。自分への収入を3歩進んで1歩下がるかのように遠慮なく徴収されます。もちろん先程説明した年金が増えるなどのメリットはありますが、法人化すると「社会保険料を頑張って払うために仕事頑張ってる」と錯覚しそうなぐらい高いです。

フリーランスのときは、まとまったお金がほしければ好きに出し入れできましたが、法人化すると自分への給料を経費にできる分、高額な給料を支払うということはそれだけ社会保険料も増えるため自分への報酬を上げにくくなります。

場合によっては社会保険料が支払うのが辛いからと会社をたたんで個人事業主に戻るケースもあったり、これがネックで社員を雇ったりするのが難しいから外注やアルバイトで済ませようとする傾向にもあります。

参考:消費税増税で大騒ぎするのに、なぜそれ以上の「増税」で騒がない?

自分への報酬を一定額を維持する必要がある

フリーランスの時はお金を欲しい時に自由に出し入れ可能でしたが、法人化すると「役員報酬」となり一年間その金額を維持する必要があります。このルールを壊すと決算書に傷が付き信用が落ちてしまいます。

キャッシュフロー意識がより必要

上述のように自分への給料が一定額になるため、より毎月確実にいくら稼ぐ必要があるのか?いくら固定費が必要なのかをフリーランスの時よりもより意識する必要があります。

フリーランスの時は、今月はお金ないけど来月には入ってくるみたいな状況になっても困りませんが、法人化していると役員報酬や税理士への報酬など固定費もあるためそうはいきません。

このように、よりキャッシュフローを意識したビジネスを問われることになります。

決算があり、税理士が必須になる

確定申告は頑張って個人でもできる範疇でしたが、流石に法人の決算はプロの税理士にお願いすることになるでしょう。ちまちま決算書作ってる暇があるのであれば本業に集中したほうがいいです。また、税務調査があった場合など専門家でなければ対応が難しいでしょう。

登記により、住所や氏名が公開される

登記情報は誰でも取り寄せることができます。そのため社名や住所はある意味パブリックな場に公開されます。

そのため自宅を登記住所にするのを嫌がる方もいらっしゃいます。

また、法人化すると税理士や創業融資、パソコンなど各種営業のダイレクトメールなども届くでしょうが、一年も経たないぐらいで収まります。

赤字でも最低7万円の法人税がかかる

例え節税に有利とは言え、どれだけ節税にしても法人の場合は最低7万円の法人税が必要となります。

いつどのタイミングで法人化すべきか?

節税のため

実際に私が法人化した理由としては売上が増えてきたことにより税金を沢山払っているという実感が強くなってきたためです。特に私の場合は妻が働いていないことや、子供が3人と多いこともあり、他の方よりも経費にできない生活費の割合が大きく、売上が上がっても手元に残るお金が残らないなという状態になっていました。

法人化すると自分の給料も経費として処理することができるため、自由度は減りますが個人事業主と比べるとかなり経費にできる割合が多くなりました。結果的に大きく節税になった実感はあります。

信用のため

世の中には法人じゃないと取引ができないケースはあります。私が開催しているクリエイター祭りも参加者200人、関係者もいれると300人近くなるため会場によっては個人では契約できないというケースもありました。

金額が大きくなってくると担当者はOKでも会社のレギューション的にNGということもあります。本当に大きな案件だと帝国データバンクの情報が・・・なんてことも聞いたことがあります。

仕事において信用は非常に重要なので、やる気やスキルだけでは解決できないケースもあると知っておきましょう。

社員を雇うため

法人化して、スタッフを雇っていく場合アルバイトではなく、社員で雇う場合一般的には社会保険完備して雇用契約を交わすことになります。

雇われる側としては当然「社会保険完備」を希望するのは当然です。(じゃないと自分の給与から更に年金や健康保険を払うことになるので・・・)

値上げのキッカケに

レアなケースかも知れませんが、取引先を整理したり、法人化を機に値上げしたりと行った整理のキッカケとしてもっともらしい理由として「法人化するから」というケースもあります。

結論:節税なら法人化がベストだけど、拡大せず自由さ重視なら無理にしなくても良い

節税という点では圧倒的に法人化のほうが有利です。それは間違いありません。

参考までに私が法人化したのは売上が1,000万円を超える見込みがあり、仕事に関係ない固定費が月30万かかるぐらいに法人化しました。(贅沢に見えるかもですが、義母も含めた6人家族の衣食住や車、子供の習い事などと考えていくとそれなりにかかります。)

法人化すると信用も上がる分、事業内容やキャッシュフローなどの堅実さも問われ、自由度を維持するためにあえて法人化しないというのも一つの手でしょう。漫画家や芸人のように先がどうなるか分からない職業や一時的に売上が上がっただけでその先は分からないケースなどもあると思います。

私はこれからある事業を軸にやっていくんだという決意と覚悟があればより上のフィールドを目指して法人化するのは一つの手ですが、そんなに事業を大きくしたくない、先が分からなくて売上を上げ続けるつもりは無いといった場合法人化する必要がないケースも考えられますのでその場合は無理に法人化するべきではないかもしれません。

以上、この記事が法人を目指すかどうかの参考になればと思います。


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