2023年11月25日(土)に開催された「3年後の未来を切り拓け!悩み爆発 クリエイター祭り®2023 @グランフロント大阪」(以降、クリエイター祭り)のイベントレポートを公開します。
※”クリエイター祭り”は(株)クリエイティブユニバースの商標です。
3年後の未来を切り開け!「クリエイター祭り®」とは
「クリエイター祭り」は、2015年に大阪から始まった有志のクリエイターによるクリエイターのためのお祭りイベントです。
その場で結果がわかって盛り上がれる「クリエイター多数決」や、等身大の悩みを解決した成功体験をシェアする「一歩先を行く先輩トーク」。ジャンル別交流会など、ただ座って学ぶだけではなく、人とのつながり・悩み解決のヒントを得られる参加型イベントとして、「3年後の未来を変える一歩を踏み出すきっかけになってほしい」と、毎年時代に合わせて開催を続けてきました。
2023年でクリエイター祭りは9年目。
東京での開催を含めると記念すべき10回目を迎え、未来を変えたいクリエイターのみなさんに、少しずつですが「クリエイター祭り」の存在を知っていただけるようになってきました。
しかしまだまだ、毎年「こんなイベントがあったんだ!」という声が届いて止みません。
これからもクリエイター祭りを一人でも多くの悩めるクリエイターのみなさんへ届けるため、さまざまな取り組みを続けていきます。
○交流会が初めてでも楽しめるイベント設計
クリエイター祭りは、多くのクリエイターに学びやつながりを持って帰ってもらうため「交流会が初めてでも楽しめるイベント」を意識して設計しています。
交流会が苦手、人と話すのが得意じゃない、まだクリエイターではないけど参加してもいいの?と迷って参加を見送る人を一人でも減らすために、クリエイター祭りは「お祭り」がテーマ。
公式イメージキャラクター「ワカヤマくん」の爆発頭に筋肉という見た目のシュールさも、お祭りの雰囲気を伝えるためのポジティブなキャラクターとして設計しています。
○クリエイターの名刺が一堂に揃う「名刺・ポートフォリオ置き場」
今までリアル開催で人気のコーナーとなっていた「名刺・ポートフォリオ置き場」も今回復活。
交流やお話しのきっかけにしてほしいと用意した、自由に名刺やポートフォリオを置いていただけるスペースです。
さまざまなクリエイターの名刺や作品が並ぶ様子はまさに「名刺のオードブル」
交流の時間で話ができなくても気になる方の名刺をゲットして、SNSでつながってほしいという想いを込めています。
X(旧:Twitter)では公式ハッシュタグ「#クリエイター祭り」にて、参加者やスタッフの感想ツイートや名刺アピール投稿が行われました。中にはクリエイター祭りのために「初めて名刺作りに取り組んだ!」という方も。
直接話せなくてもたくさんの気になる人とつながれる設計を、クリエイター祭りはリアル・オンライン問わず、毎年さまざまな形で取り組んでいます。
より詳しくはこちら:https://c-u.co.jp/matsuri/
俺の切り札(名刺)はこいつだ!
— hachimitsu | illustrator (@888hcmt) November 24, 2023
キラッキラのSSRカード(名刺)!💖
いよいよ明日に迫った #クリエイター祭り で俺とデュエル(交流)しようぜ! pic.twitter.com/UsKOCd7LQ0
今年の祭り3大トピックス
ただいま大阪!4年ぶりのリアル開催&リスタート
2015年から開催を続けてきたクリエイター祭りも、2020年からコロナウイルスの影響を大きく受けました。
世界中で外出自粛が叫ばれ、日本全国で急速なオンライン化や人との接触を断つ生活が始まりました。クリエイターに限らず、多くの人々が影響を受け、誰も前向きな未来を考えられない状況が続いていました。
それでも、「いつかリアルで会おう」という願いを込めて制作したオリジナルグッズや、遠方でもつながりを感じられるグッズと連動するバーチャル名刺交換など、クリエイターが未来を諦めないために手探りの中で走った3年間のオンライン開催。
その経験を経て、ついに2023年はリアル開催の復活を決定しました。
会場は大阪・梅田の一等地「グランフロント大阪」
当日は関西からの来場はもちろん、当日のために遠方から足を運んでくれたクリエイター&祭り運営スタッフも多くおり、3年間の閉塞感を吹き飛ばすようなエネルギー溢れる空間となりました。
次の10年を駆け抜ける!「クリエイター祭り」公式ロゴを発表
クリエイター祭りは毎年、キービジュアルに併せたロゴを使っていました。
しかし、4年ぶりのリアル開催は世の中の情勢もクリエイターを取り巻く状況も大きく変化。リスタートを切るような心持ちで挑みました。
これから次の10年もクリエイター祭りを開催していくため、新たにクリエイター祭りの顔となる公式ロゴを発表しました。
今後はさまざまな広報媒体や、多くの人の目に触れる機会を増やし、クリエイターのみなさんに寄り添うシンボルとして活躍します。
ロゴ制作はグラフィックデザイナーの豊島夏海さんが担当。
イベント当日では、ロゴ制作に込めた想いもお話ししていただきました。
豊島夏海さんのロゴに込めたメッセージは、祭り公式ページで公開しております。
ぜひこちらもご覧ください。
協賛企業・スポンサー様と多くのプレイベントを開催
遠方にお住まいの方やイベント当日は参加できないというみなさんにも「クリエイター祭り」の雰囲気を体験してもらうため、たくさんの「プレイベント」をスポンサーの方々と開催。
2023年の10月から11月22日の開催直前まで、毎週水曜日はプレイベントDayとして、さまざまなスポンサーのみなさんをゲストに毎回とても楽しいお話や学びを提供していただきました。
リアル開催の交流会をのぞき、オンライン開催はすべて無料となり、人気のイベントはあっという間に100名が集まるなど、多くの方にクリエイター祭りを知ってもらうことができました。
プレイベント一例
- 弁護士による生成AIとクリエイターの生存戦略
- VTuber業界を知り尽くすプロデューサーに聞くお仕事獲得法
- イラストレーター「サタケシュンスケ」さんとのパネル座談会
- 日本イラストレーター協会(JILLA)×クリエイター祭りコラボ交流会
- 出版社さんにクリエイターとのつながり方を聞く座談会トーク
- フリーランスが理想の仕事を獲得するためのフリーランス研修
- イベント本番直前!当日がもっと楽しくなる登壇者インタビューLIVE配信 など…
クリエイター祭り本祭の様子
まずはみなさんをお迎えするオープニング映像からクリエイター祭りはスタート!
2015年からの歴史を感じられる素敵な映像となっており、YouTubeでも公開しています。
ぜひご覧ください。
OP映像
司会のYapinさんとなでさんのタイトルコールとご挨拶で、クリエイター祭りのオリエンテーリングが始まりました。
○クリエイター祭り主催 カッシーさんのご挨拶
まずは株式会社クリエイティブユニバース代表取締役、クリエイター・フリーランスの駆け込み寺の肩書きを持つ樫本祐輝(かしもとゆうき)ことカッシーさんより、ご挨拶をいただきました。
祭り恒例の「クリエイター祭りに初めて参加した人?」の問いかけには、会場からたくさんの手が上がりました。
クリエイター祭りは参加者のみなさんと一緒に作るお祭り。今日は一日楽しみましょうと開会の宣言となりました。
○クリエイター祭り公式ロゴ発表 豊島夏海さんのご挨拶
今年の祭り3大トピックスでご紹介をした、クリエイター祭りの新しいシンボルロゴを制作した、グラフィックデザイナーの豊島夏海さんからも、ロゴ制作にかけた想いとご挨拶をいただきました。
その場で結果を見て楽しもう「クリエイター多数決」
クリエイター祭りの最初のコンテンツは、スマホで参加できてすぐ結果がわかって盛り上がれる「クリエイター多数決」です。
直接聞きにくい質問や、クリエイターあるあるの悩みについてみんなどう思っているのか?会場のみんなで多数決を楽しみます!
最初の緊張をほぐすにもちょうどよい、お楽しみコンテンツです。
今年の画面は3D空間をイメージした画面で、いろんな疑問に白黒はっきりつけました!匿名だから正直に答えやすいのも、クリエイター多数決の面白い部分です。
『チュートリアル質問:20人以上の交流会に参加するのは?』
A:初めて! 29%
B:何度かある! 71%
まずはチュートリアルでお馴染みの、交流会についての質問。
クリエイター祭りが初めてのクリエイター交流会だったという方も毎年多かったのですが、今年は交流会に慣れている方が多めという結果に。
イベントレポートでは印象に残った質問をピックアップします。
ぜひ結果を予想して、自分はどっち派か答えながら見てくださいね。
『大阪・京都・兵庫・奈良、関西圏に住んでいる?』
A:住んでいる 86%
B:住んでいない! 14%
約1割の方は、関西圏以外にお住まいという結果に。
ペンタブ持ってる・持ってない?
A:持ってる! 46%
B:持ってない 54%
デザインやイラスト制作を便利に進められる便利なツール「ペンタブレット」の所持率は、約半分に迫る方が持っているという意外な結果。
インボイス制度を理解している?
A:理解した 40%
B:わからない 60%
昨年の10月から本格的に施行が始まり、まだまだ現場の対応には混乱もある「インボイス制度」
新しい制度について理解を深めているものの、やはりよくわからないのが本音という結果が見られました。
課税事業者になる?ならない?
A:登録する/した 45%
B:ならない 55%
続いて課税事業者になるかどうかの質問は、五分五分の結果となりました。理解して登録した方、とりあえずなる予定の方や様子見をする方など、さまざまな考えがあり、みなさん悩んでいることがわかりますね。
単発100万円以上の案件のお仕事をしたことは?
A:あるよ 24%
B:ない 76%
多数決では、聞きたくてもなかなか聞けないお金の話も聞いてみます。単発で3桁になる案件を受けたことがある人も会場におられました。
年収1000万円、超えている?
A:超えている 5%
B:届かない 95%
こちらも会場の約5%に、1000万円クリエイターがいると会場がざわつきました。ぜひ見つけて、名刺交換をしましょうというジョークとともに、多くの人がうらやましいという反応を示されていました。
今の働き方や自分に満足している?
A:満足している! 32%
B:まだ不満がある 68%
こちらの質問には、7割近くの人がまだ理想の働き方や、環境を手に入れていないという、謙虚さも混じった結果となりました。
クリエイター祭りを通して、理想の働き方や目指す働き方が見つかってほしいと事前に用意していた質問は終了。
また、クリエイター多数決はその場で質問をもらって反映させることもできます。
質問を募集したところ、会場からは禁断の質問が飛び出します…。
『あなたは、犬派?猫派?』
老若男女問わず人気のある犬と猫。
クリエイターには、どっちが人気なのかついに決着がついてしまうのでしょうか。
A:犬派 53%
B:猫派 47%
会場では犬派がやや多い結果になりましたが、どちらも最高、優越はつけられないという結果になりました。
こうしたクスッと笑える質問もあり、和やかに多数決タイムは終了しました。
応援メッセージ「市井義彦」さま
毎年、クリエイターの思いに賛同してくれた有名で影響力のあるクリエイターの方から、応援コメントいただいています。
今回はメッセージを公式ページに寄せてくださった、Adobe PremiereProのユーザーグループを運営されている映像作家の「市井義彦(いちいよしひこ)」さんが大阪会場に駆けつけてくれました。
また市井さんが監修を務めたAdobe PremiereProのサイン入り教材本を、プレゼントとしてご提供いただきました。
等身大の悩みを解決した成功体験エピソード
「一歩先を行く先輩トーク」
続いてはクリエイター祭りのメインセッション「一歩先を行く先輩トーク」
登壇されるクリエイターのみなさんが、自分が抱えていた等身大の悩みをどう解決して、一歩を踏み出すことができたのか、身近な成功体験エピソードをシェアしてくれるトークセッションです。
大金をはたいて展示会に出展するも大失敗!
5年ぶりのリベンジで分かったしごと獲得のきほん
イラストレーター「モンコ」さん
「むずかしいをかんたんに」を理念に、幼児・児童向け教材や医療・介護福祉などのカットイラスト、似顔絵などをはじめとする制作を手がけているイラストレーターのモンコさん。
ご自身の強みやイラストで伝えたいことが明確なモンコさんも、初めからそうだったわけではありません。駆け出しの頃にクリエイターと依頼をしたい企業をつなぐ大規模な展示・商談イベント「クリエイターEXPO(通称クリエポ)」に仕事獲得のために出店。
しかし、思うような結果を得られず大失敗。
フリーランスとしての独立は諦めようかと考えていました。
そんなときに出会ったのが、初のオンライン開催「クリエイター祭り2020」と無料のプレイベント。
「こんなにためになる情報を無料で学べるの!?」とイベント本番にも参加し、その後は主催団体の「THE CREATIVE」※1に加入し、自己分析や仕事を獲得するために本当に大切なことを学び始めました。
※1:招待制クリエイターギルドTHE CREATIVEは弊社が提供する有料クリエイターコミュニティです。クリエイター祭りはクリエイターの良いキャリア設計のノウハウ共有も兼ねています。
自分の根底にある考えた世界観を知る「世界観ワーク」や、仕事や案件を円滑に進めるためのスケジュールを組むワークなどを通して、自分の持っている考え方や、仕事やイラストに対して自分が譲れない・大切したいことはなにかを見つめることができたと話しました。
「むずかしいをかんたんに」の理念とともに、クリエポにリベンジ!
「スキルがあれば仕事は来るのでは?」と思いながら、当初はワークを進めていたモンコさん。数々のワークを通して仕事を依頼する方にとって、何を考え・ポリシーを持っている人かわからない人にお金は払えないと痛感し、学ぶだけではなく自己理念の決定にも取り組みました。
「むずかしいをかんたんに」の理念も、自分一人ではなく一緒にワークをしていた仲間からのアドバイスや意見を元に、少しずつ具体的にしていきました。
そしてできあがった理念を元に組み立て直したクリエポの準備。
申し込んだ瞬間からクリエポは始まっている!として、来場してくれた人に一目で伝わるポスターやキャッチコピー、優先して見せるイラストなどの準備コツコツと進めて、5年ぶりとなるクリエポに仕事獲得を目指して出展。
理念を決め、ブラッシュアップを重ねたクリエポ出展リベンジは、晴れて大成功。
その成果は数字にしっかり現れ、注目のクリエポでの仕事獲得数は、かつての3年間で4件から『たった4ヶ月で7件の案件獲得』に成功。この驚きの成果に会場からも大きな拍手が溢れました。
○そのほかにも嬉しい成果
- 名刺交換数:約3倍
- 報酬価格:約2倍
また今回のイベントでつながった方は、長いお付き合いが期待でき、お礼メールからもよい反応をいただいているとのこと。
こうして、5年ぶりのリベンジを果たしたモンコさんは自分のやりたいお仕事を獲得し、今後はWebサイトから仕事の受注を目指していき、同じように悩むクリエイターさんの力になりたいと登壇を締めくくりました。
28才フリーターが動画編集を始めて半年でフリーランスへ
〜自由とお金を求めた先にあったもの〜
動画クリエイター「米澤ヒカル」さん
兵庫県で動画・映像クリエイターをされている米澤ヒカルさんは、冒頭に自身の紹介動画を流して会場の視線を釘付けに。
4人兄弟の長男で以前は暴力的な性格だったと自身を振り返る米澤さんは、自分を心から慕ってくれた大切な弟との永別から、自身を奮い立たせ弟に恥じない男になると、動画編集を始めて半年で起業。ここだけ聞くと若くして独立、すでに成功した人だと思う方がほとんどかもしれません。
しかし、27歳まで社会人経験がなかったと登壇では経験を赤裸々に話し、決意と行動力で未経験から独立を掴んだ努力で実を結んだ人でした。
独立の条件を「動画編集だけで10万円以上稼げたら独立する」と決め、毎日営業メールを送り、1件1件丁寧に返しながら地道な営業とスキルアップ・制作とアルバイトに打ち込む日々。時には睡眠時間が1時間しかとれないほど忙しい日もある、目まぐるしい半年を過ごしました。
その結果、無事に半年で独立を果たし、また独立してから性格が穏やかになったという気づきも得ます。順調なフリーランス生活…と思いきや、良いことばかりではありませんでした。
多くのフリーランスが抱える悩み「低単価の案件を大量に裁かなければいけない」「収入が不安定」の問題が、米澤さんにも降りかかります。
しかし、動画編集は本当に自分がしたい仕事だったのか?と、自身を見つめ直し、自分がなにに感動して、なぜ仕事をしたいと思うのか「自己分析」に取り組みました。
がむしゃらに取り組んで気づいた「ストーリー」が好きだということ
その中で、自分が好きなものの共通点に「ストーリー」があると気がつきます。
自分が取り組む仕事の中でやりがいを感じる仕事とは、一人一人が持っている人生やストーリーの想いを形にする。自分がやるべきことは「ストーリーの力で想いを届ける」ことだと、フリーランスになって本当にやりたいことを見つけ出しました。
その想いに気づいてからは、独立後の軌道修正が難しいことを実感しながらも「自分が伝えたい価値」や「自分の幸せの定義」を、ぜひ独立前に考えてみてほしいとメッセージを伝えました。
米澤さんの与えたい価値は「キレイゴトだっていい。貫けば本物になる」として、今後も価値観を同じくする仲間と出会うサポートを通して、想いを伝える仕事をしていきたいと決意を新たにして登壇を締めくくりました。
焦りを感じているパパ・ママに届けたい!時間に限りがあるクリエイターの一歩先の未来〜もっと自分のことを大切に〜
Webデザイナー「みのり」さん
みのりさんは子育てとお仕事を両立して頑張るママクリエイターさん。
子育てに理解がありシフトの融通を聞いてくれるなど、とてもよい条件で働かせてもらっていることに感謝する反面。他の人に比べて仕事ができる時間の少なさや、家庭の都合で迷惑をかけてしまうことに大きな負い目を感じていました。
その一方で、家庭の時間にも仕事のことを考えてしまい、家族との外出中も「本当はもっと勉強をしないといけないのに…」と、家族の時間にも仕事を持ち込んでしまい心が落ち着かない状態で1年以上過ごしていたと悩んでいました。
そこで、状況を打開しようと「自己分析」に取り組んでみるものの、自分の強みや仕事で得意なことが全くわからない…と落ち込んでしまい、自分を見つめ直すだけでは負のループに。そんな中で、THE CREATIVEでカッシーさんに相談をしたことで転機が訪れます。
「仕事と家族のどちらかを選ぶとしたら、どっちが大切ですか?」
みのりさんはその質問に迷わず「家族」と答えます。
子育てに限らず、自身の体調や家庭の事情や介護など、仕事の時間を満足にとれない状況の人はたくさんいる。しかし誰もが、それぞれに大切なもの・譲れない事情があり、その制約の中で折り合いをつけながら働き方を模索することは、なにも悪いことではない。
頭ではわかっていても、負のループから抜け出せなかったみのりさんも「私は家族が大切」と心に決め、それを前提に仕事への取り組み方を見直すことで、本当の意味でずっと悩んでいたしがらみが晴れていったと話しました。
さらに、時間の制約がある中でも安定して働くには、Web制作を主軸にするのではなく、週1回の集客訪問サポートなど、仕事の受け方も変えることが重要という気づきも得ました。
この仕事の受け方なら「月5万円の継続案件も目指せる」と言われ、いままで時間を捻出するしかないと思い込んでいた中で、驚きを隠せなかったとのこと。
未経験からWebデザイナーになった自分にできるだろうか、地方に住んでいるし難しいかもしれないという不安にも「月10万円の売上を作れるWebサイトを提供すれば、月5万円でも契約したいと思ってもらえるかもしれない。地方がどうというのは関係がない」と、自分の目指す働き方を諦めてはいけないと、仕事に対してどんどん前向きになれるようになったと話します。
自分が一番大切にしたいものは「家族」だと軸を決めたことで、さまざまな悩みが解決に向かった経験を通して、自分の状況に後ろめたさや周りの評価を気にしすぎていて自分を大切にしていなかった。それに気がついたみのりさんだからこそ、「少しわがままになって、自分を大切にしてほしい」とメッセージを会場のみなさんに伝えて、登壇を締めくくりました。
スポンサーセッション
休憩を挟み、次のセッションはクリエイター祭りに協賛してくれたスポンサーのみなさまのご紹介とスポンサーセッションです。
「協同組合 日本イラストレーション協会」 通称JILLA(ジャイラ)から、竹本明子(たけもとあきこ)さま。
「ハイブリットビジネスサロン Flatier(フラッティア)」からは、大村和彦(おおむらかずひこ)さまにご登壇いただきました。
「協同組合 日本イラストレーション協会 JILLA」とは
経済産業大臣認可の業界団体で、イラストレーター、グラフィックデザイナー、Web デザイナー、アートディレクター、漫画家、アニメーターなど、視覚表現に携わるクリエイター 3,500名が在籍する日本最大級の業界団体。
「ハイブリットビジネスサロン Flatier(フラッティア)」とは
Flatier(フラッティア) さまは、オンラインとオフラインを活用した、ハイブリッドで展開するビジネスに特化したサロン。オフラインイベントは現在、大阪、東京、神奈川、愛知、京都、福岡、広島で開催。フラットな関係でメンバー同士が関わる事ができ、気軽に参加しやすいコミュニティ。
URL:https://community.camp-fire.jp/projects/view/413282
「ジャンル別交流会」
一歩先を行く先輩トークのあとは、参加者やスタッフ、スポンサーのみなさんとつながりを作れる「ジャンル別交流会」のセッションです。
大まかな4つのジャンルで会場を分け、声をかけやすい自分と同じ業種エリアや、自分がつながりを持ちたいエリアへ足を運びやすいように設計。
各エリアには登壇者・祭り運営スタッフを始め、スポンサーのみなさんにも加わっていただき、自由な交流タイムを楽しんでいただきました。
【ジャンル分けエリア】
- イラスト/アート
- 動画
- デザイン/Web
- 業種をこえてつながろう
多数決や先輩トークの学びからみなさんの緊張もほぐれており、積極的に名刺交換や隣り合った人と話す様子が会場全体で見られ、大変盛りあがりました。
今年のクリエイター祭りの会場には、ペンタブレットでお馴染みの「株式会社ワコム」さまのタブレット体験ブースを設置いただき、交流タイムでは多くのイラストレーターさんが集まって賑わいをみせました。
クリエイター祭り主催 カッシーさんによる
クリエイター支援トーク
「自分のステージを一つ上に上げる クリエイターの生存戦略」
クリエイター祭りの最後を飾るセッションは、主催のカッシーさんによる「クリエイター支援トーク」
毎年その時代や世の中に合わせた、クリエイターに伝えたいメッセージを伝えるこのセッションでは、自分の未来を考えるために1つの気づきを得て帰ってほしいとして、クリエイター支援の現場に身を置く立場から、登壇が始まりました。
まず、この10年でクリエイター業界は大きくかわりました。
かつては優秀な人の選択肢の一つだったフリーランスは、現在はクリエイター業界外でも広く認知され始めた働き方・キャリア選択の一つへと変化しています。
未経験フリーランスや初めてのクリエイティブ業界への参入など、現役クリエイターから多くの相談を受ける中で共通しているのは「情報と設計が足りない」ということ。
自分に必要なキャリアの登り方や間違った努力の方向をしていないか、情報が不足していることで本来はしなくていい苦労や回り道をしてしまっていると説明しました。
なぜクリエイター支援をするのか「知らないはリスク」
悩めるクリエイターには「情報と設計が足りない」として、カッシーさんは今日必ず覚えて帰ってほしい言葉として「知らないはリスク」をあげました。
またこの言葉が生まれるきっかけとなった、カッシーさんの幼少期エピソードを通して、自身もある情報を知らなかったことで、とても悔しい思いをしたとが語られました。
どれだけ魅力的な個性やスキルがあり努力を重ねたとしても、たった一つの情報を知らないだけで、大きな差が生まれてしまう。
それと同時にクリエイター業界の教育の遅れも、放っておけない問題とカッシーさんは指摘します。クリエイターの多くはスキル不足や自分の知名度・影響力がないことを問題の原因と捉えがちですが、問題の本質はそこではなく、本当に必要な情報を取り入れていないこと。
そしてネット上にある情報から、本当に自分が得るべき情報を選ぶのは難しく、信頼できる人と出会いつながって、本物の情報を得られる環境はクリエイター祭りを含め、たくさんあると知ってほしいと語りました。
あなたの悩みは世界初の悩みですか?
そして知識や情報を得たら、その知識を一定の結果を出すために全体設計してほしいとも併せて説明。
ここで「あなたの悩みは世界初の悩みでしょうか」とカッシーさんは問いかけます。クリエイター祭りのメインコンテンツでもある「一歩先を行く先輩トーク」も、悩みの解決は真新しい方法ではなく悩んでいる自分に必要な情報を手に入れ、正しく設計することで解決した成功体験の一部。
ビジネスもクリエイティブも、上達する方法は同じ。
誰かの成功体験を真似して、自分が悩む必要のない悩みはスキップ、自分が本当に試行錯誤しなくてはいけないところに力を注いでほしいと、図解と併せて解説をしました。
撮影OKと掲示した「情報をうまく設計できる人とそうでない人」の比較スライドは、会場のほとんどの方がスマホで内容を写真に収めていました。設計が上手な人は、設計や戦略が自分に合っているかを繰り返し検証すると話しました。
最後に登壇の締めくくりとして、カッシーさんにとって、一番クリエイターにとって避けたいことは「未来を創れない・描けないこと」
いまのクリエイター業界は、クリエイターも仕事を発注する側も、自分たちで情報を取り入れ判断をしなければいけなくなってきています。
そんな中で、自分の未来を悲観したり新しい挑戦ができない、スキルはあるのに食べていけないという状況に、一人でも多くのクリエイターが陥らないようにしたいと、クリエイター支援の活動を続けると決意を新たに、2024年のクリエイター祭りも楽しみに待っていてくださいとクリエイター祭り最後のセッションを締めくくりました。
祭り本編終了の記念撮影!
最後はスタッフ・スポンサーのみなさんも全員揃って記念撮影。
ここに集ったみなさんが、3年後にどんな未来を掴んでいるのかとても楽しみです。
イベントの感想で盛り上がれる「アフター交流会」
イベント本編の終了後は、同じ会場で軽食付きのアフター交流会を開催。
同じイベントを体験した共通の話題があるので、話しかけるハードルを下げ、軽食を食べながらイベントの感想やジャンル別交流会でお話できなかった人と話すなど、思い思いのお時間を過ごしていただきました。
さらにアフター交流会にご参加いただいた方が対象の「プレゼント抽選会」も大いに盛り上がりました。
プレゼントには、クリエイター祭りでしか手に入らないオリジナルグッズ、市井さまから提供いただいたサイン入り書籍やAdobeノベルティ詰め合わせセットなどを抽選でプレゼント。
一番の目玉プレゼントとなる、ワコム様からご提供いただいた液晶タブレット「Wacom Cintiq 16」は希望者によるジャンケンで、プレゼントする方を決定。ワコムさまから手渡しでプレゼントいただきました。
「クリエイター祭り2024」も鋭意進行中!情報をお楽しみに
4年ぶりの開催で仕切り直しの気持ちで開催された「クリエイター祭り2023@グランフロント大阪」
長い間、オンラインイベントが主流となっていた環境の中で、現地での開催にどれくらいのクリエイターが足を運んでくれるか全く予想のできないまま、2023年のイベント設計・準備は始まりました。
スタッフや運営陣も毎年メンバーや体制が変わっていく中で、その年の正解を模索しながら、運営スタッフ一人一人が自分のできることを出し合ってイベント運営が成り立っています。
大阪・東京・各地のスタッフが力を合わせ、100名を超えるクリエイターが集まる「クリエイター祭り」を取り戻すことができました。
実行委員会では2024年のクリエイター祭りの開催に向けても計画を進めています。
今後も株式会社クリエイティブユニバースは、未来を創れるクリエイター支援の活動を続けて参ります。
2024年はどのようなクリエイター祭りになるのか、ぜひ、楽しみにお待ちください。