
アクセスの多いやめとけシリーズ。今回は事務所編です。
「自分だけの空間が欲しい・・・」
「好きなものに囲まれているオフィスにしたい・・・」
「おしゃれな空間で優雅に仕事したい・・・」
結論から言えば大半のフリーランスの方は自宅もしくは自宅+コワーキングスペースで事足りるでしょう。
そんな中でもわざわざお金を払ってまで事務所(オフィス)は必要かどうか?気になるところでしょう。
この記事を読んでいる方の中にはもしかしたら将来もっと稼いで自分だけのオフィス・サロンを持ちたいという方も多いのではないでしょうか。
この記事ではフリーランスとしては過去に二度事務所を借りた経験から事務所選びや体験をご紹介します。
【この記事を書いた人】
フリーランス・クリエイターの駆け込み寺
株式会社クリエイティブユニバースCEO
事業戦略クリエイティブプロデューサー
樫本祐輝(カッシー@strive)
1985年生まれ 岡山出身大阪在住 Web制作会社→フリーランスWebデザイナー→ゲーム開発会社→マーケティング会社→NPO法人→再びフリーランス→フリーランス・クリエイター支援や法人向けコンサルティングで法人化。2012年よりフリーランスセミナーを大阪・東京にて開催中、2013年から続く有料フリーランスコミュニティ「TheCreative」を運営。「#クリエイター祭り」など様々なイベントを開催する。家庭も大事にしずっと専業主婦の妻と3児のパパ。これまでお会いしてきたフリーランスは1,000人以上。詳しいプロフィールはコチラ
デメリット
当然だがとにかく固定費が増える!
当たり前ですが固定費が多くなります(切実)
月10万なら120万円の固定費として飛んでいくのでかなり大きな出費になります。
事務所を借りるというのはとにかくこの固定費に対してどれだけの収益をもたらす使い方ができるかが問われます。
また、通うということは当然交通費もかかります。
以前は週2〜3日外出していたのが現在では週5外出になりました。次のように様々な固定費が事務所に付随して増えます。
- 事務所家賃
- 電気代
- 水道光熱費
- インターネット
- 交通費
こういった固定費が積み重なってくるので目安としては家賃×1.5倍ぐらいは出費が増えると思っておきましょう。
この生まれる固定費に対してどのようなアクションを起こせるか?
あなたの経営手腕が問われます。
あとは初期費用も馬鹿になりませんね。良心的なところであれば仲介手数料+3ヶ月分とかですが、駅近で家賃は高くないけど1年分なんて物件もありました。
これだけの固定費増加に対して収益をあげようと思うと、フリーランスの方であれば単価を2〜3倍ぐらい増やさないと厳しいのではないでしょうか?
フリーランスで事務所を借りて、結局手放す方の多くは場所を活かしきれず無くても良いかなって状況になるからです。
メリット〜自分の城を築く〜
さて、実際にオフィスを借りているにはメリットがあるからですね。実際にその固定費に見合う価値があるのか見ていきましょう。
専用の道具や機材を置ける

私にとって大きかったのはこれです。
特に子供が大きくなり自分の書斎を子供に譲ったので自宅にはスペースが限られていました。
今では事務所を借りたおかげで広い机やiMacの27インチもおけますし、ごついオフィスチェアやビデオ・音響機材なども置けます。
他にもカメラの三脚やイベントに使う名札ケース、書籍などに仕事道具を置くスペースとして重宝します。
調子に乗って55インチの有機EL買ってみんなでスマブラとかもしました(笑)

他にもプロの映像を見える環境を整えようとUltra HD Blu-ray版「君の名は」の再生環境も用意して鑑賞会なども開きました。
仕事のスイッチを入れる空間

家ではいつでも横に寝れるし、飲みもの・着替え・お風呂すべてが身近にあります。フリーランスとして自分を律する事ができる人であれば問題ないですが、自己管理が苦手な方には辛く厳しいでしょう。
特に私のように子供が小さい場合などはちょこちょこと家事タスクも発生したりと集中した時間を確保できないケースもあります。
そのためコワーキングスペースなり、近所のカフェなりと集中できる場所を保つ必要があります。
事務所は特に自分が仕事をするために作る環境なのでより集中できるための環境として空間を作ります。
自分のパフォーマンスを発揮するための空間として生産性が上がるのであれば固定費もペイの目処がつくかと思います。
共同作業ができる場所
私は誰も雇っていませんが、コミュニティ活動やイベントなど開催しています。例えば「クリエイター祭り」のような大規模イベントになると予行練習や袋詰、打ち合わせなどたくさん顔を合わす機会が増えてきますのでオフィスがあると無いとでは大きく違います。
また、いろいろなプロジェクトに参加していると場所があるだけでハブのような役割を果たすためいろいろな方が来てくれるため、色々な仕事をするチャンスが生まれます。
とまぁ正直メリットを紹介していますが、コワーキングや他のサービスで代替も可能なものばかりでしょう。
実際問題売上が上がることに直結する使い方をしないと正直勿体無いだけです。
事務所を借りる判断基準
私は以前1度目の独立した際に共同でオフィスを借りました。家賃10万円の物件をみんなでシェアしました。それはそれで楽しかったですが改めて2度目で借りることになり、考え抜いて今の物件を借りたのでそのお話をします。
まず第一に人を呼ぶ必要性があるかどうか?
事務所を借りたいという場合、多くは自宅と区別したいという点が大きいはずです。
特に取引上来客がある、アシスタントなど呼んで一緒に作業するなど自分ひとり以上の使い方をするかどうかが借りる上で大きな判断ポイントになります。
将来法人化したい、スタッフを抱えて規模を大きくしたいという方であれば事務所を借りたほうが良いでしょう。
その他には私と同じように対人コンサル、スクールなど対人サービスを提供するケースも同様です。
他にもアシスタントじゃなくても私の場合事務・経理を外部の方にお願いしているので鍵を渡して私が不在なときにも事務所で作業してもらうことなどあります。これも家だとなかなかしにくいですね^^;
何かしら住所が必要なとき
法人化や特定商取引法の明記など住所を載せないといけないけど自宅は載せたくないというケース。
もちろんコワーキングスペースなどで住所利用が可能なバーチャルアドレスもありますが、法人化する際の登記住所は法人口座を作る銀行の審査などで不利になりますので信用面から賃貸契約が必要なケースが多いです。
事務所選びで重視したこと
さて、すべき論はともかくとして実際に今の事務所を借りた理由を紹介します。
僕が借りたのは東梅田にある「国道ビル ラ・オカシオン」です。
事務所を知ったのが2017年の4月末。しかし埋まっていたのでそれからずっと事務所探しをしていたところ、9月ごろに事務所が開くという情報をキャッチ。
担当に聞いてみたところ「どの部屋が空くか分かりませんが、契約しますか?」と部屋の大きさも分からぬまま契約を勧めてもらうことになりました。結果的にちょうどよい小さい部屋でしが鍵をもらえるのが2月!実に9ヶ月の末ようやく事務所を手に入れました。
それほど人気物件なオフィスに入れたのですが私の使い方的には人を雇ったり、打ち合わせで来客があるわけではありませんがフリーランス・クリエイター支援をやっている関係上人の相談に乗ったりワークをしたりすることが多いです。
自宅から通いやすいこと
当然ですが家から通いにくいところに借りてしまうと行くことすら億劫になってしまします。
自分の最寄り駅から1本で通える、気持ちをリセットできる程度の片道30〜40分程度の気軽な距離で借りました。
渡しの場合は高槻市に住んでいるので阪急京都線で行ける梅田と地下鉄の乗り換えたがある天六・扇町・南森町で探して今の東梅田の物件になりました。ちょっとどんくさい話ですが間違って天下茶屋行きに乗ったとしても南森町からも徒歩圏内なので助かっています(土日に本数が増えて間違えて乗ってしまう)
女性に優しい事務所選び
事務所を借りる上で重視したのはセミナーやコミュニティ利用者の多い女性を重視したことです。ママさんクリエイターや女性のデザイナー/イラストレーターなどが多いためです。
過去の自分や人のオフィスを見ていてオフィスが女性の利便性や清潔感などが一定水準無いと信頼を得られないことは分かっていました(例トイレ汚いとか)
そのため次の3点を重視しました。
- 1.女性が夜道でも安心して通れる
- 2.トイレが男女別かつ複数あること
- 3.清潔感があること
結果的に駅から近く、雨が降ったとしても近くに地下街があるなど好条件な物件を見つけることができました。
加えて言えば土日にシャッターが閉まらないことも条件になりましたがこれらをすべて満たす物件は半年以上探して今の物件しか見つかりませんでした。
清潔感は非常に大事です。最近ではSOHO可な住居も多くなりましたがトイレ掃除やトイレットペーパー買うとか管理してると面倒で仕方ありません。そのため共益費でちゃんと掃除など管理してくれることも条件でした。
クリエイターに恥ずかしくない空間

優先度は低いがある意味一番大事だったかも。対クリエイターに対してサービスをしているわけなので当然古い雑居ビルとか行ってみたいと思える場所じゃなければ信頼があるません。
オフィスビルは結構古いビルが多く、今入居しているビルも例外ではありません。
しかしこのビルはリフォームがしっかりされていて古いビルとは思えない綺麗さです。共益費が高い分清掃もしっかりされていて管理面において不満はありません。
見た目がきれいでも内部が汚い、壁が薄くて音が響きまくり、上の階の音が聞こえるなどこういった細かい騒音も重要は判断材料です。
コンセントの数と位置
IT系の仕事をしているので意外と大事なのがコンセントの数と場所。
幸い入居しているビルは医療系が多いビルで機材の関係か広さに対してコンセントの数が多く助かりました。
唯一の後悔は国道沿いであること
唯一後悔しているのが国道沿いであること。
日当たりが良いのは嬉しいですが、車の走行音がずっと聞こえます。これは残念ながらオンラインMTGや映像収録などする際にノイズの原因となり大変です。
せっかく綺麗でおしゃれな事務所なのですがこの点だけ不満としてあります。
※音声収録などについてはピンマイクやダイナミックマイクなどで解決を検討中。
最大のメリットは3Fに会議室・フリースペース・自販機・喫煙所がある
実は最大のメリットは事務所そのものじゃなくそのビル自体にありました。

ビル3Fに会議室があります。セミナーや交流会などイベントをする際にビルの3Fに降りるだけというのがどれほど楽か・・・(涙)
また、フリースペースはオフィスに人数が多いときや、鍵が閉まっていて開くのを待ってもらうときに重宝しています。
自販機や喫煙所があるのも好評です。わざわざ外に行く必要が無いのでビル内で完結することがこれほど快適かと感じています。
2019年3月にはその環境を生かしてこのブログでも使っているテーマ「Snow Monkey」の開発者であるキタジマさんをお呼びしたミートアップも開催できました。
このような環境のよりビルに入居できたことは嬉しいです。
将来のレバレッジを考えた事務所選びを
最初にも伝えた通り固定費がかさむのがデメリットですが、それを上回るメリットをどうやって捻出するか、売上を上げるためのアクションに繋げられるか重要です。
これを一言にまとめると「レバレッジが効く物件を借りれるか?」に尽きるでしょう。
だからこそそのイメージが描けない方は簡単に事務所を借りることはオススメしません。
例えば年契約で規模の大きな案件を受注したとか、借り入れして勝負をかけるなど勝負どころでフェーズを上げるためにオフィスを借りるかどうか検討することになるでしょう。
他にもカメラマンであればスタジオを持つことで仕事の幅が大きく変わるなどレバレッジの掛け方もあります。
私自身もまだまだ家賃に対してリターンを手に入れてると思ってないのでもっとレバレッジかけていく必要があるなと考えています。
事務所選びは時と運次第。
良い物件を見つけたら耐え忍んで空くのを待って、いつでも契約可能な状態で臨みましょう!
基本的に良い物件は告知と同時になくなるので予め目星をつけておくことをオススメします。